進化する楽天主砲、投球内容抜群のオリックス右腕 8月のパをセイバー目線で検証

オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】
オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】

オリックス・山本由伸は月間1勝もQS率100%、奪空振率も先発では高水準

 投手部門から。投手評価には、平均的な投手に比べてどれだけ失点を防いだかを示す「RSAA」を用いる。ここでのRSAAは「tRA」ベースで算出。tRAとは、被本塁打、与四死球、奪三振に加え、投手が打たれたゴロ、ライナー、内野フライ、外野フライの本数も集計しており、チームの守備能力と切り離した投手個人の失点率を推定する指標となっている。各チームの「RSAA」上位2選手は以下の通り。

○西武 高橋光成3.07、スミス2.25
○ソフトバンク モイネロ3.08、千賀滉大2.21
○オリックス 山本由伸6.95、竹安大知2.81
○楽天 西口直人3.06、松井裕樹2.90
○ロッテ オスナ3.18、ゲレーロ1.92
○日本ハム 吉田輝星3.01、上原健太2.52

 8月に3勝した投手が2人いる。

○高橋光成 4試合3勝0敗、防御率1.80、QS率100%、被本塁打1、奪三振率6.43、被打率.246、被OPS.634 WHIP1.17、奪空振率10.1%
○宮城大弥 4試合3勝1敗、防御率1.14、QS率100%、被本塁打3、奪三振率4.55、被打率.153、被OPS.451、WHIP0.69、奪空振率8.0%

 公式の月間MVP選考では両投手が議題に上がるだろうが宮城の場合、被本塁打3がセイバー的には評価できない。RSAAでは高橋が上回っているので、両投手でどちらかと言えば高橋を推したい。しかしながら、8月のパ・リーグ投手で最もチーム貢献度が高かったことを示したのはオリックスの山本由伸である。

○山本由伸 4試合1勝0敗、防御率1.50、QS率100%、被本塁打1、奪三振率10.5、K/BB7.00、被打率.228、被OPS.600、WHIP1.03、奪空振率16.0%

 奪空振率16%は先発投手としては高水準。3.5を超えれば良しとされるK/BBで7.00を記録した。しっかりと打者を押さえ込み、打たれた打球でも50%がゴロと投球内容が光った。勝ち星には恵まれなかったが、安定した実力を発揮した山本由伸を8月のセイバー目線で選ぶ月間MVPに推薦する。

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