「元通りになるのかな…」 日本ハムを変えるはずだった五十幡亮汰が語る“空白の半年”

日本ハム・五十幡亮汰【写真:羽鳥慶太】
日本ハム・五十幡亮汰【写真:羽鳥慶太】

歩くのもしんどい日々…襲われた「元通りになるのかな」という不安

 2020年秋のドラフト直後から、中学時代に「サニブラウンに勝った男」として報じられた五十幡にとってはその快足が大事な商売道具だ。ただ手術を終え、リハビリに入っても、脚のしびれがなかなか消えなかった。実戦に復帰した今も“違和感”が残っているという。

「ヘルニアで神経の方もやられていたので……。左右差が少しありますね。筋力は取り戻しているんですけど、機能性のところで少し。100%を出したいときに伝わりづらい、力を出しづらいところがあるので、早く取り戻したい」

 神経系のトレーニングはただ、ひたすらに地道だ。こうしたいという意思が体の隅々にまで伝わるように、足首を動かしたり、足の指を開いたり。五十幡の言葉を借りれば「神経を起こすリハビリ」は今も継続している。精神的なダメージも、当然あった。

「リハビリはきついということはないんですけど、最初は全くジョグもできないし、歩くのもしんどかったので……。『元通りになるのかな』という不安がきつかったですね」

 ただ、リハビリの時期も漫然と時間を送っていたわけではない。キャンプで、臨時コーチの赤星氏や武井氏を質問攻めにしていたように、体が思うように動かなくても、頭をフル回転させていたという。教材はいくらでもあった。寮の目の前の球場では2軍戦が行われる。テレビの向こうの1軍戦にもじっと目を凝らした。

磨いた野球脳と体をつなげる作業「1軍を想像しながらやっていく」

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