侍U18馬淵監督、異例の逆質問でW杯開幕投手を通達 最速148キロ生盛亜勇太に決定
最速148キロの本格派右腕、馬淵監督も「3~5日目にも投げてほしいからできるだけ前に」
9日に開幕する「第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(米フロリダ州・ブラデントン)に出場する野球日本代表「侍ジャパン」U-18。イタリアとの初戦は、最速148キロを誇る生盛亜勇太投手(沖縄・興南)が先発を務めることが決まった。馬淵史郎監督が明かしたもので、「ボールの勢いがある。アバウトになってもいいから腕を振って欲しい」と期待した。
右の本格派の生盛は、今夏の沖縄大会で全5試合29回1/3で失点はわずかに2点。チームを甲子園出場に導いた。甲子園の初戦は8回までリードしていたが、チームメートになった森本哲星投手擁する市船橋(千葉)に逆転を許してサヨナラ負け。それでも、自己最速の148キロを計測するなど、アピール。日の丸を背負う20人に選ばれた。
馬淵監督から“開幕投手”を任されることを知らされたのは、5日の夜。食事後、シャドーピッチングをしていた時だった。「お前でいくこと聞いているか?」と“馬淵節”の逆質問で開幕投手であることを知ったという。
この日はシート打撃に登板し、その後、ブルペンでノースローで調整。「アメリカのグラウンドは硬くて日本と全然違う。気持ち立ち投げというか。甲子園とは全然違うので確認して投げました」。異国の地のマウンドを念入りに確認した。
「ブルペンではいい球を放っている。どっちにしろ10日間で9試合。総力戦ですから」と馬淵監督。今大会は球数制限があり、50球以上だと中1日、105球に達すると4日間の休息が余儀なくされている。馬淵監督は「(球数制限を超えても)3~5日目には(再び生盛に)投げてほしいからできるだけ前に」と、長丁場の戦いを見据えての起用であることを明かした。
この日は朝から腹痛に苦しんだ。馬淵監督に「先発を知らされてプレッシャーかかったかな」と心配されていた生盛だったが、練習後には「一番大事な初戦を任されたのは光栄ですし、波に乗れるよう先陣を切りたい」と意気込んでいた。世代初の世界一に向け、最高のスタートを切ることを誓った。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)