チームワーストの9敗目 鷹・石川柊太はなぜ“勝ち運”と援護に恵まれない?

降板する6回までに先頭打者を出塁させたのは4イニング

 もちろん援護できない打線にも原因はあるが、この日の投球は今季、石川がなかなか勝てない理由も示していたのではないだろうか。5回、6回の失点は先頭打者への四死球がキッカケになったもの。それ以外でもボール先行のカウントになることが多く、なかなかリズムを生み出せないでいた。

 この日、石川が投げた6イニングのうち、先頭打者を出塁させたのは4イニング。一方で、6回途中までソフトバンク打線を1点に封じた楽天先発の辛島が先頭打者を出したイニングはなし。ちなみにソフトバンクが勝利した6日の試合で、先発の和田毅ら投手陣が先頭打者を出塁させたイニングは一度もなかった。

 本来、石川の持ち味といえば、テンポの良い投球で生み出すリズムにある。ただ、投球のテンポが早くても、カウントを整えることに苦労し、先頭打者を塁に出した。いい攻撃に繋がるリズムを生み出すことはできたとは言い難い。今季の与四球48個はリーグ最多。ここにも波に乗り切れない要因があると言える。

「そこ(先頭への四死球)だけですね。3失点も1個はエラーですからね。粘りは見せてくれましたよね」と藤本監督は言う。粘りを見せ、最低限の役割は果たした石川。ただ、大黒柱の1人として“勝てるピッチング”を期待したいところだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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