「根尾や石川昂より早くブレーク」の“予言的中” 1人で21失点防ぐ中日20歳の衝撃

守備指標は12球団トップ、走塁の貢献も屈指の数字

 データでは、躍進ぶりがさらに際立つ。セイバーメトリクスの観点からプロ野球のデータを分析する「DELTA(デルタ)」(https://1point02.jp/)の8日時点の数値を見てみる。守備全般の貢献を表す「UZR(ultimate zone rating)」は、全選手トップの「21.2」。同じ守備位置の平均的な選手に比べ、どれだけ失点を防いだかを得点化した指標で、実に1人で21失点を阻止した計算になる。源田が「13.9」、西武の外崎修汰がパ・リーグトップの「15.8」なのを考えても頭抜けている。

 さらに、盗塁と盗塁以外での得点貢献を合わせた走塁の総合評価指標「BsR(Base Running)」も「7.9」と12球団屈指の数値。チームが勝てないだけに脚光を浴びる機会は少ないが、走攻守で大きな貢献をもたらしている。

 石川昂は故障さえなければクリーンアップに定着しそうな逸材で、ドラフト2位ルーキーの鵜飼航丞も広い本拠地を物ともしない豪快アーチを見せつけた。根尾も投手として可能性を示すなど、若手が花開こうとしているのも確か。低迷脱出の足音は、確かに聞こえ始めている。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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