「あいつ、大丈夫かね?」 山川が9月大不振の西武…辻監督が頼りにする39歳コンビ
辻監督「普通にやることが、野球で一番難しいのですよ」
パ・リーグの優勝争いは史上稀に見る大混戦。西武打線はチーム打率.230の“低空飛行”で、誰もが焦りを隠せない様子。そんな中で、辻監督は「中村と栗山は、そういうところはさすがだよ。慣れているし、普段通りできるところに彼らの経験が生きている。みんながそういう風にできればいいのだけれど、どうしても必死になるからさ。普通にやることが、野球で一番難しいのですよ」と指摘する。
中村と栗山は同期入団21年目で、いずれもチーム野手最年長の39歳(チーム最年長は今季限りでの現役引退を表明した40歳の内海哲也投手)。この日、1点を追う9回2死一、二塁の土壇場で、中村がしぶとくゴロで三遊間を抜く同点適時打を放った。三塁ベンチに向けて右拳を突き上げ、「思わずガッツポーズが出てしまいました」と照れた。
さらに、続く平沼の代打で栗山が登場。カウント3-2から146キロの際どい内角球を見極め四球で歩き、満塁と詰め寄ったが、途中出場の西川愛也外野手が中飛に倒れ、サヨナラ勝ちはならなかった。
結局延長10回、近藤に決勝ソロを浴び敗戦。辻監督は「打線の調子が落ちているのは間違いないけれど、そんなことを言っている場合ではない。1つ勝てば変わるし、寝れば次の日だから。離されないように、しっかりついていかないと」と気持ちの切り替えを強調した。中村は今季打率.196、栗山も.259で好調というわけではないが、ここにきて俄然、頼もしい存在感を放ち始めた。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)