馬淵監督も渋面「あれだけやっているのに」 2連勝のU18侍に見えた“唯一の課題”
投手は2試合で1失点、打撃も国内合宿で不調だった浅野が打率5割&木製初アーチ
一方で、2連勝には好材料も沢山あった。打撃では、5回に1番に座った浅野が左中間に痛烈な高校通算68本目。国内合宿の実戦3試合では10打数2安打と苦しんだが、2試合で6打数3安打3打点1本塁打と本来の打撃を見せている。
この日、チームでは計5安打にとどまったが、馬淵監督も「ヒット数は少ないが、浅野の1打席、2打席目もしっかり捉えていた。渡部(海捕手・智弁和歌山)も捉えていた。そこまで心配していない。悪い状態ではない」と手ごたえを感じている。
投手陣も順調な仕上がりだ。前日のイタリア戦では、3投手で完封リレー。大会前には馬淵監督が「本来の調子が戻っていない」と不安視していた川原嗣貴投手(大阪桐蔭)が3回1安打無失点4奪三振と完璧な投球を見せた。この日も香西一希投手(九州国際大付)が5四死球を与えながらも、無失点の粘投。2番手・宮原明弥投手(長崎・海星)も1失点で締めた。
守備も無失策。智弁和歌山の正捕手・渡部海が「2番・三塁」で出場し、三塁線の強烈な当たりを逆シングルで捕球し、ロングスロー。慣れない天然芝のグラウンドでも堅実な守備が光った。
馬淵監督は「投手と守りは注文ない」と言い、打撃も「悪い状態じゃない」と話すように、チームの状態は上向きだ。一方、国際大会、ましてや7回制ではひとつのミスが命取り。スーパーラウンドでは韓国や米国など、強豪国も控える。いまだたどり着いていない世界一に向け、“馬淵ジャパン”らしい戦いを見せていきたい。