大谷翔平が示す「WARの限界」 米サイトも測定困難、MVP争いの敵はジャッジにあらず?
米データサイト「(どちらを選んでも)間違いではないだろう」
今季のア・リーグMVPはエンゼルスの大谷翔平投手かヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手か。“論争”がヒートアップする中、野球専門の米データサイト「ファングラフス」は、二刀流の“特殊性”に着目。大谷の場合ジャッジとの比較というよりも、その特殊性がどれくらい“価値”として評価されるかだと主張している。
34発&12勝の大谷か、55発のジャッジか。「ファングラフス」は、大谷のMVP受賞に“最大の壁”となるのが「地球上誰よりもボールを粉砕している男、アーロン・ジャッジだ」と解説。バリー・ボンズが2001年にマークした年間最多の73本には届かないかもしれないが、ロジャー・マリスが1961年に打ち立てた球団記録の61本塁打は「射程圏内だ」と説明する。
ただ、MVP争いを語る時に重要なのは大谷がジャッジより打つかではなく、投手と指名打者を兼務する特殊性がどれくらいの「価値」として評価されるかだと指摘。この「価値」には明確な定義がないことにも言及している。記事はさらに、米分析専門サイト「ベースボール・プロスぺクタス」のラッセル・カーレトン氏の言葉を紹介。カーレトン氏はかつてのユーティリティ選手、ベン・ゾブリストを引き合いに「ゾブリストを超える柔軟性を生み出すオオタニはWARの限界を示している」と述べている。投球、打撃、守備、走塁などを総合的に評価する指標「WAR」でも大谷の価値を測りきれないということだろう。
記録的な活躍をするジャッジと、更なる進化を見せている大谷。「どちらの希少性をとっても、2人の活躍を当然なものと見なさない限り(どちらを選んでも)間違いではないだろう。2つの奇跡を目撃できるなんて我々は幸運だ」と記事は結んでいる。
(Full-Count編集部)