大谷翔平を推す米敏腕記者が危惧する「オオタニ慣れ」 MVPはジャッジ発言に反論
「ミラクルを正しく評価できない『オオタニ慣れ』みたいなものがあるんじゃないか」
11日(日本時間12日)に行われた敵地・アストロズ戦で3試合ぶりの本塁打となる34号2ランを放ったエンゼルスの大谷翔平投手。今季も12勝、34本塁打と活躍する大谷だが、シーズンも終盤となり、ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手との“MVPレース”の行方にも大きな注目が集まっている。
大谷、ジャッジそれぞれを推す声がある中で、数々のスクープを連発することでも知られるスポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者は大谷を推しているよう。「ジャッジもふさわしいと思うが、私が危惧しているのは、彼がしていることのミラクルを正しく評価できない『オオタニ慣れ』みたいなものがあるんじゃないか」と語った。
米メディア「FOXスポーツ」で10日(同11日)に中継されたツインズ対ガーディアンズ戦の最中に論議が交わされたMVP争い。1996年にサイ・ヤング賞に輝き、メジャー通算213勝、2015年には野球殿堂入りを果たした名投手のジョン・スモルツ氏は「100%ジャッジ」と主張すると、ローゼンタール記者は「ジョンのロジックに文句を言うことはできない」としつつも反論を繰り出した。
ここまで大谷は投手として12勝、打者としても30本を超える本塁打を放っている。ローゼンタール記者は「私たちは同時にメジャーリーグ史上2番目の二刀流シーズンについて話題にしている。昨年、彼がしたことと非常に近いレベルだ。打者としては昨年ほどではないが、投手としては昨年よりも優れている」と言及している。
昨年は満票でア・リーグのMVPに輝き、今季もそれと同等の活躍を見せている。同記者は「ジャッジもふさわしいと思うが、私が心配しているのは、彼がしていることのミラクルを正しく評価できない『オオタニ慣れ』みたいなものがあるんじゃないかということ」と語り、大谷の二刀流が“当たり前”のような空気になることを危惧した。
この日実況を務めたアーロン・ゴールドスミス氏はこのローゼンタール記者の主張に対し「“オオタニ慣れ”とは完璧な表現だ。私たちはこれまで一度もなかったようなことにすぐに慣れてしまう」と同調。大谷の2年連続MVP受賞のカギは、二刀流での偉業が“当たり前”とならず、きっちりと評価を受けることにもあるようだ。
(Full-Count編集部)