ボールを正面で捕るには「左足を合わせる」　元ドラ1が伝授する“超簡単”なコツ

“左足捕球”から右→左とステップし最短の送球体勢が生まれる

　では、なぜ左足を踏み出すのか？　“左足捕球”をすることで、ボールは自然と体の中心に収まる。その中で尾崎さんが伝えたいのは“正面でボールを捕る＝正対してボールを捕る”は間違いだという。

「体の向きが前後左右になっても、ヘソの前で捕球していれば『正面で捕っている』と思ってもらって大丈夫です。打球に対して正対しないと、正面じゃないという指導者もいますが、体のどの部分で捕球しているかが大事になります」

　これは送球にもつながっていく。“左足捕球”をイメージすることで、次に右、左とステップし最短の送球体勢が生まれる。逆に右足で捕ってしまうと「左→右→左と1個ステップする作業が増えてしまいます。その一歩でランナーは2、3歩進んでしまいアウトがセーフになります」と説明する。

　あくまで、これは基本動作。体力がつき、レベルが高くなるにつれ指導の技術も上がっていく。尾崎さんは「いきなり高い技術を求める人もいますが、まずは基本が大事。簡単で分かりやすく、すぐに実行できるものを伝えていければ」と、子どもたちへの指導を心掛けている。

○尾崎匡哉（おざき・まさや）

　1984年6月2日、兵庫県伊丹市出身。報徳学園高時代は永田裕治監督（現日大三島監督）が「就任以来初めて」という1年春から遊撃のレギュラーを獲得した。2002年は「1番・遊撃」として春夏連続で甲子園出場。同年のドラフト会議で日本ハムから1位指名を受け入団。投手以外の全ポジションをこなすユーティリティプレーヤーとして活躍し2014年に現役引退。現在は少年野球の指導を行う傍ら、兵庫県・宝塚市でパーソナルジム「匡　workout」を経営。

（橋本健吾 / Kengo Hashimoto）