「ピッチャーがいなくなった」 野手登板も検討…痛恨7連敗、西武辻監督の誤算
チーム防御率リーグ2位2.81を誇る投手陣にも疲労の色か…
11回から最後のカードの本田を投入する手ももちろんあったが、打球直撃などで投球不能になる場合のことも想定しなければならない。「そうなったら、平沼(翔太内野手)が投げるしかない。1イニングならまだしも、2イニングとなったら万が一があるからね」と説明した。平沼は敦賀気比高時代に「4番・投手」で選抜優勝の実績があるが、内野手としてプロ入りし7年目。普段投球練習もしていない選手を、そうそうマウンドに上げるわけにいかなかったのは当然だ。
この日は内海が現役最終登板として先発し、初回先頭の山崎1人を打ち取り交代。“事実上の先発”であるディートリック・エンス投手は、今季既に10勝を挙げているが、2回に9番打者の太田に先制3号2ランを被弾し、5回途中98球で降板した。1点ビハインドで迎えた7回には、6回から続投のバーチ・スミス投手が2死から連続四球でピンチを招き、ワンポイントで左腕の公文克彦投手が登場するも、小深田に右越え2点二塁打を浴び、宮川哲投手にスイッチ。ここで余計に投手を使った感もある。
リーグ2位のチーム防御率2.81を誇る投手陣に、ここにきて疲労の色も見えるが、残りはわずか6試合。なりふり構わず、早めに継投する傾向は続くだろう。辻監督は「全部勝つ気持ちでやっているんだけどね…」と思案顔。優勝争いとCS出場圏内に生き残るために、今こそ底力を見せるしかない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)