大谷翔平、指標を超越した特異性「二次元から来た」 米メディアが“価値”力説
大谷の投打の活躍は「他に類を見ないものだ」
議論が白熱しているエンゼルス・大谷翔平投手と、ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手のMVP争い。シーズンも残り少ない中、米メディア「バリー・スポーツ」は「アーロン・ジャッジが本塁打を打ちまくろうとも、ショウヘイ・オオタニの二刀流の価値には及ばない」との見出しで、2人を比較した。
ジャッジは20日(日本時間21日)のパイレーツ戦で60号を放ち、1961年にロジャー・マリスが打ち立てたリーグ記録の61本塁打まで、あと1本に迫っている。打率でも首位に躍り出て、3冠王も視界に。「通常なら、ア・リーグMVPを獲得するのに十分であるはず」としながらも、大谷の投打での活躍に「昨年のオオタニを含めても他に類を見ないものだ」と言及している。
ジャッジの記録は称賛しつつも、今季大谷よりもいいシーズンを送っている打者はジャッジと、アストロズのヨルダン・アルバレス外野手の2人だけで、投手としてはヤンキースのゲリット・コールよりも優れていると主張。「ジャッジはこの世のものとは思えないが、オオタニは二次元からやってきたのだ」と、大谷の特異性を強調した。
同記事では、投球、打撃、守備、走塁などを総合的に評価する指標「WAR」に疑問も投げかけている。万能とされるこの指標でも、二刀流の大谷をきちんと評価できていないという声も多い。「WARはそもそも代替可能選手を見つけることができることを前提としている。(唯一の二刀流で代わりがいない)オオタニに対してWARを使うわけにはいかない」と記事は主張を展開する。
WARではジャッジが上回っているが、それだけで大谷と比較することは難しい。「スタッツだけを気にして選ぶ投票者にとっては、どのプラットフォームを見ても、WARでジャッジがオオタニをリードしているから、それだけを見て『ジャッジの打撃のWARはオオタニの3倍もいい! オオタニの投球がそれほど価値があるはずがない』と主張するかもしれない。だけど、それは妄想だ。WARが新しい指標だった頃、人々はよく冗談で『WARが、何の役に立つんだ?』と言ったものだ。そして今回、ア・リーグのMVPを決める場合は、WARは全く役に立たないかもしれない」とした。
最後には「ジャッジはオオタニよりいい打撃シーズンを過ごしているのは間違いない。おそらくMVPに選ばれるだろう。しかし、ジャッジが投球でアウトを取れない限りは、彼はショウヘイのような存在には決してなれない」と栄誉ある賞は“ジャッジ推し”でも、大谷の価値を強調している。歴史的な活躍を見せる2人。MVP争いを制するのはどちらだろうか。
(Full-Count編集部)