大逆転Vへ「何かが起こる」 覚醒したDeNA24歳、67試合投げても「体が元気に」

守護神・山崎に引けを取らぬ信頼度…大逆転Vへ「何かが起こる」

 かさむ登板数にも「ここに来て、体が元気になってきた。どんどん投げていきたい」と頼もしい。「(2日前の20日の)甲子園での阪神戦では、140キロ台後半しか出ていなかったのですが、(翌21日に)移動即試合の日の練習で、球速が出て、なおかつ疲れがたまらない投げ方をつかみました」と明かす。甲子園から横浜への移動を含む過酷な3連投の中で、またワンランクアップを果たしたと言うのだから恐れ入る。

 プロ1年目も中継ぎで33試合、2年目の昨季も39試合に登板して存在感を示したが、今季は貫禄が段違い。山崎につなぐセットアッパーの役割を十二分に果たしている。「背負っている立場が違います。お陰で、昨年までは点を取られてはダメだ、結果を出さなければと躍起になっていたのですが、心の余裕を持てるようになりました」と胸を張る。この日、3点リードの無死満塁で登板を命じられた際も、「ブルペンで(山崎)康晃さんに、『2点取られますので、あとはよろしくお願いします』と言おうかな、と思ったほどです」と笑う。

 立場は人を育てる。残り10試合。逆転優勝の可能性は風前の灯だが、伊勢は「こちらが負けなければ、何かが起こると思う。当然全試合勝ちにいく」と力強い。24歳の“伊勢大明神”の信頼度はいまや、守護神の山崎と比べても引けを取らない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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