村上の待望56号「更新されると複雑」 バレに“日本記録弾”浴びた元ドラ1の回顧
村上とファームで対戦した記憶「簡単にレフト前にヒットを打たれた」
記録更新に期待がかかる村上とは、現役時代にファームで一度対戦がある。その時のことは印象に残っており、今でもすぐに思い出せるという。
「簡単にレフト前にヒットを打たれました。懐が深く、どんな球でも下半身を使って対応できる。体の重心の位置など自分の形をわかっていて、バットコントロールができているから、自分のスイングができて左ピッチャーも苦にしないのだと思います」
村上に新記録を打ち立ててほしいという思いがある一方で、記録を更新されると、自分の名前が残らなくなってしまうという複雑な思いがあると笑顔で話す。
「村上君は応援したいですが、更新されると僕の56号、57号を打たれた記録がなくなってしまう。あそこで榎田が投げていたという、僕がプロで投げていた証がなくなってしまうみたいで、複雑です。ピッチャーには、真剣勝負をしてほしいですけど、僕みたいに甘くは投げてほしくはないですね」
歴史に挑んでいる村上。その鮮烈な一発はもちろんのこと、真っ向勝負を挑んだ投手もまた、ファンの記憶に刻まれるだろう。
(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)