西武・山川の予言的中!? 胴上げ阻止の劇弾生んだ“読み”に監督震撼「恐ろしいね」
試合前の円陣で「今日は3点取りましょう」と宣言して3-1で勝利
前の打席からちょっとした工夫も加えていた。実はほんの1~2センチ、バットを短く持った。「普段は(左手の小指を)グリップエンドに掛けているのですが、9回の打席で、いつも打てない(リバン・)モイネロと対戦し、何かを変えようと思って、指を掛けずに握りました。レフトフライでしたが、いい当たりだったので、意外にイケるなと思い、11回の打席でも続けました」と明かしていた。
9月には自身の不振と歩調を合わせるかのように、チームも7連敗を喫し、3年ぶりのリーグ優勝の可能性が消えた。何としてもスランプ脱出のきっかけをつかみたかった。プロ入り後初のサヨナラ弾というおまけも付き「ファームで1度打っていますが、プロの1軍の舞台では初めて。大声援を受けて、こんなにうれしいものかと……」と感慨深げだ。オリックスの吉田正と競る打点王争いでも一歩抜け出し「それはめっちゃ意識しています。これまで打点王には縁がなくて、いつも競争に負けていた。今年はちゃんと取りたい」とうなずいた。
試合前の円陣でのこと。山川はチームメートを前に「今日は3点取りましょう」と宣言していた。9月24日の日本ハム戦では、「(先発)全員安打を打ちましょう」と語り実現。同27日のソフトバンク戦でも「僕がホームランを打ちます」と予告した通り、9試合ぶりの40号2ランを放っていた。またしても“予言的中”となり、辻発彦監督も「打つ直前、ホームランが出ればちょうど3点だと頭に浮かんだよ。恐ろしいね」と目を丸くしていた。
西武にとってソフトバンクは、14年ぶりの日本一へ駆け上がるために、CSで必ず倒さなければならない相手だ。短期決戦へ向けて最高の予行演習となったこの一戦。円陣での“声出し”役は、チームの白星が続いている限り、同じ選手が務めることになっているとか。山川が次にどんな予言を口にするのかも、非常に興味深い。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)