新球場元年、日本ハムの9回は誰に託すのか 「守護神・伊藤大海」の“期待と課題”

伊藤、上沢、加藤が2年連続規定投球回クリアの“先発3本柱”

 伊藤は今季チームで唯一の2桁勝利。すでに来季の開幕投手を務めることが発表されている加藤、エースの上沢とともに、先発3本柱を形成している。しかし、2年連続で規定投球回をクリアしたこの3人に続く若手がなかなか出てきていないのが現状。上原や鈴木、根本ら楽しみな存在は多いだけに、若手がどれだけレベルアップを図ることができるかも重要になる。

 札幌ドーム最終戦で来季続投を自ら表明し、日本一を宣言した新庄監督も「来年の先発の感じ次第じゃないですか。それによっては。その辺はまだ、体力的にどうなるか分からないし」と伊藤の起用法についてはじっくり見極める方針を示した。

 伊藤自身は“初セーブ”の経験を「昨年のルーキーの頃を思い出したというか、これぐらい各バッターに対して腕を振ってたなと。凄く色んなことに気付けた登板でした」と清々しい表情で振り返った。さらに「ビッグボスが僕に気付いてほしくて、こうやってチャンスをもらえたと思うので」。仮に来季も先発を務めるにしても、この“全球全力”は伊藤にとってプラスに働くことだろう。

 就任1年目は大差の最下位に終わった新庄監督。ポジションをシャッフルして選手の様々な可能性を探った1年間を終え、来季はある程度固定のメンバーで戦うことを公言している。札幌ドームで最後、ファンに誓ったのは「来年は2位も6位も一緒です。日本一だけを目指してブレずに頑張っていきます」。“本気”の指揮官が新球場で9回のマウンドを託すのは、一体誰になるのだろか。

○著者プロフィール
町田利衣(まちだ・りえ)
東京都生まれ。慶大を卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。2011年から北海道総局で日本ハムを担当。2014年から東京本社スポーツ部でヤクルト、ロッテ、DeNAなどを担当。2021年10月からFull-Count編集部に所属。

(町田利衣 / Rie Machida)

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