台湾の新球団「TSGホークス」は日本流? 井端弘和や元巨人助っ人が続々コーチに

TSGホークス・劉東洋GM(左)と井端弘和客員コーチ【写真提供:CPBL】
TSGホークス・劉東洋GM(左)と井端弘和客員コーチ【写真提供:CPBL】

井端氏を臨時コーチに…守備やバント、走塁の強化を期待

 TSGホークスは来季まず2軍公式戦に、2024年からは1軍公式戦に参入する。残り1年半の間は戦力の底上げをしながら、ハード面の改善・強化を進め、興行面でもゼロからファン、スポンサーを開拓していかなければならない。残された時間は多くはなく、劉GMは目の回る忙しさとなるだろう。

 台湾プロ野球はかつて、八百長などの不祥事によるチーム減が続いた。6チーム体制の復活は、連盟にもファンにとっても悲願だった。TSG自身の努力はもちろんだが、CPBLや地元・高雄市も協力して盛り上げていってもらいたい。林統括コーチが優勝目標として掲げた3年目の2026年シーズン、TSGホークスがどのようなチームに成長しているのか、そして、澄清湖球場がどのような球場に生まれ変わっているのか、今から楽しみだ。

 最高齢で25歳、高卒選手はじめ10代の選手も多いTSGホークスにとっては、何よりも育成が重要だ。劉GMの話からも、指導者の人選、育成に対する重視ぶりがうかがえる。就任時点から日本人指導者の招聘プランを明らかにしており、8月末には秋季キャンプに、客員守備コーチとして元中日の井端弘和氏を招くと発表した。

 現役時代、日本球界を代表する守備の名手として知られた井端氏を招聘した理由について劉GMは、ドラフト会議で1巡目1位で指名したショートの曾子祐をはじめとした内野の守備強化を挙げた。また、バントや走塁についても自身の技術を伝えてほしいと期待を示した。

 井端氏は10月初旬にも台湾入りし、8日にも指導を開始すると伝えられている。曾子祐も、井端氏から日本式の守備技術や、きめ細やかさを学びたいと期待している。今回は2週間の滞在が予定され、劉GMは来春も機会があればと「井端講座」の定例化を希望している。

 さらに9月16日、公式フェイスブックに「かつて台湾プロ野球で旋風を巻き起こしたあの男が高雄に帰ってくる」と投稿した。「豊富な国際経験」「簡単に三振をしない男」などのヒントもあったため「一体誰だろう」と大きな話題となった。

打撃部門を支えるのは「台湾のイチロー」と呼ばれた元助っ人

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