前田健太の絶賛は大正解だった 中日20歳が衝撃数値…朗希&由伸凌ぐ“隠れ1位”
中日2年目ドラ1・高橋宏斗、規定投球回に届かずも“超一流”を証明
まだ今季のプロ野球界が春季キャンプのころ、ツインズ・前田健太投手のひと言によって注目された若き才能がいた。中日2年目の高橋宏斗投手。紅白戦の映像を見たと言うメジャー右腕がSNSで「中日の背番号19のピッチャー良くないですか?」とつぶやいた“予感”は、見事的中した。データを見ると、球界屈指の数値が数々並ぶ。
2020年のドラフト1位で中京大中京高(愛知)から入団した高橋宏は、プロ1年目の2021年は1軍登板なし。ファームで実戦経験と体づくりを優先し、20歳を迎えた2年目の今季は開幕ローテを掴んだ。登録と抹消を繰り返して登板間隔を空けながら、19試合に登板して6勝7敗、防御率2.47の成績を残した。
規定投球回には26イニングあまり届かずにタイトル争いには加われなかったが、“隠れ1位”の指標が続出。セイバーメトリクスを用いて分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、球界屈指の投手たちと引けを取らない数値になっている(90イニング以上投げた投手が対象)。
被打率.193はリーグトップ。両リーグで見てもロッテ・佐々木朗希の.177に次ぐ2位で、オリックス・山本由伸の.198を上回っている。三振割合を示す「K%」も佐々木朗に及ばずも29.0と高く、ソフトバンク・千賀滉大と山本が続いた。打者にバットに当てられたコンタクト率を測る「Contact%」にいたっては、佐々木朗を抜いて12球団トップの「66.1」を誇った。
リーグトップはまだまだある。ストレートの平均球速は151.2キロをマーク。さらにフォークによる失点増減を数値化した「wSF」も13.9で“セ界一”だった。強烈な真っ直ぐと、鋭く落ちる球。まだ荒削りながら、最下位に低迷したチームの中では数少ない好材料となった。
来季は本格的な飛躍が求められる3年目。大野雄大や柳裕也、今季自身初の10勝を挙げた小笠原慎之介らとローテを担い、その中心となっていけるか。強竜復活への旗振り役になることが期待される。