崖っぷちのDeNA・三浦監督が攻守でみせた勝負手　専門家が唸った“執念の采配”

7回無死一塁では今シーズン犠打のなかった宮崎に送りバント

　勝敗を分けたのはDeNAが1点リードで迎えた7回。阪神は先頭・中野が遊撃内野安打で出塁すると、続く糸原の打席で一走・中野が二盗を決めると犠打で1死三塁の好機を作る。ここで三浦監督は好投の大貫に代え伊勢をマウンドへ送ると、近本は三邪飛、大山が中飛に倒れ無得点に終わった。

　三浦監督の継投策を新井氏は「あれだけの好投を続けていた大貫なら同点までは……という考えもあるなかでスパっと代えた。しかも、左の近本に対してエスコバーではなく伊勢を持っていった。前日の試合で左投手（今永）を攻略していた打撃も分析していたと思います」と絶賛した。

　追いつきたい阪神も1死二塁ではなく、1死三塁を作る思い切った攻めを見せた。両指揮官の意地と意地がぶつかった攻防を「あの場面（無死一塁）で盗塁のサインを出した矢野監督も勇気ある采配だった。先勝してるからこその積極的な攻撃。お互いの監督が素晴らしい采配を振るったが、三浦監督の執念が勝ったといえるでしょう」と新井氏。

　7回のDeNAの攻撃では無死一塁からプロ入り後犠打のなかった宮崎に送りバントを指示。1死一、二塁から大和が三ゴロ併殺に倒れ無得点に終わったが、スコア以上に見応えのある試合内容だった。

「投手力は五分五分。打力はDeNAが上とみる。引き分けでもOKな状況、ホームで声援の後押しもある」

　リーグ連覇を果たしたヤクルトへの挑戦権を手にするのはどちらになるのか。3戦目まで持ち込まれた両チームの戦いから目が離せない。

（橋本健吾 / Kengo Hashimoto）