“振り子投法”で村上宗隆を三振斬り…ドラ1候補の153キロ右腕が待つ「3度目の正直」

東芝・吉村貢司郎【写真:伊藤賢汰】
東芝・吉村貢司郎【写真:伊藤賢汰】

父との猛練習がプロへの礎「きついな、と思ったこともありますけど…」

「プロ野球は夢とか憧れの世界ですけど、不思議と無理だとは思ったことがないんです。負けず嫌いというか、諦めたくないんですよ」と言う。それは「参考にしている選手はいますけど、目標とする選手はいません」という考え方にも通じる。

 身体の使い方や投げるタイミングは、山本由伸投手(オリックス)や千賀滉大投手(ソフトバンク)といった当代のエースたちを見て学んでいる。フォークボールが大きな武器なのも共通している。ただ彼らは“目標”ではない。そう考えた時点で、成長が止まると考えているのだ。

 プロへの基礎を作ってくれたのは、父・裕二さんとの個人練習だった。小学校5年生から硬式球でプレーした。さらに平日も、午後3時に家に帰れば夕食をとる午後6時ころまで練習。食事後また外に飛び出し、9時過ぎまでひたすら投打の練習に明け暮れた。裕二さんは本格的な野球歴はないものの、野球技術を学んでまで吉村との練習に付き合った。「当時はそりゃ、きついな……と思ったこともありますけど、今では感謝しかないですよね」と、感謝の念は日々大きくなっている。

 今後、目指す投手像について聞くと「チームを勝たせられる投手になりたいと思っています。みんなから求められるような、『この1戦は吉村で頼むぞ』と言われる投手になりたい」と言い切った。アマ有数の即戦力右腕は今後、どのような道を歩んでいくだろうか。

〇吉村貢司郎(よしむら・こうじろう)1998年1月19日、東京都生まれ。足立区興本小2年で野球を始め、足立第八中時代はボーイズリーグでプレー。日大豊山高では3年夏の東東京大会準優勝が最高成績。国学院大4年時にプロ志望届を提出するも指名漏れし、東芝入り。趣味は温泉巡り「好きな湯は熱海とか…風景もいいですよね」。身長183センチ、体重85キロ。右投右打。

【ブルペン投球動画】地面スレスレまで落下するフォークに驚愕 ドラ1位候補・吉村の投球を至近距離から撮影

RECOMMEND

CATEGORY