19歳での“挫折”乗り越えプロ注目に 恩師も驚く元U18左腕、飛躍の3年間

ドラフト候補の西濃運輸・林優樹【写真:清水しんや】
ドラフト候補の西濃運輸・林優樹【写真:清水しんや】

入部早々の5月に左肘疲労骨折、前途多難な社会人野球1年目

 運命のドラフト会議まで、残すところあと1日。4年前に行われた夏の甲子園100回記念大会を沸かせた近江(滋賀)の技巧派左腕・林優樹投手にも指名の期待がかかる。高校卒業後は、社会人野球・西濃運輸野球部へ入部。今年のドラフトに照準を合わせてきた林にとって「もがき苦しんだ」と振り返る3年間だった。

 西濃運輸は厳しい社会人チームと知って、入部した。覚悟は持っていたが華奢な身体は入部早々に悲鳴を上げた。左肘疲労骨折が判明したのだ。

「4歳から野球をやってきて、今まで怪我をしたことが無かったので、野球ができない苦しさとかしんどい思いって分からなかったんです」

 同チームを2014年に全国制覇へ導いた社会人野球の名将・林教雄・前監督やチームトレーナーと相談し、まずは1年をかけて身体作りに専念することになった。

 だが、人生初の故障で1年ものあいだ、ボールを投げられなくなり「野球ができないってこんなに苦しいんだなって。ユニホームも着たくなくて、グラウンドにも行きたくなくて」と気が滅入ってしまった。「キラキラして表舞台に常に出れていた」という高校時代とは一変、「社会人野球に来てからは、試合にも出られないし、ギャップがすごかった」と、名門チームの戦力になれないもどかしさも重なった。

 そんな林を後押ししたのは、プロ野球選手になるという“夢”だった。「日本代表(2019年U-18侍ジャパン)に選んでもらったときに、(プロ入りした選手との)身体の違いはこの目で見たので、トレーニングも食事面も勉強して、継続することの大切さを学びました。今思えば、1年目があってよかった」と口にする。

2年目の春には約10キロの球速アップ、今季はいよいよドラフト解禁年

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