巨人・岡本和真の不振は“運”のせい? 直近5年で最悪のツイてなさ…気なるフライ割合
今季インプレー中の打球を表す「BABIP」がリーグワースト
今季、2年連続でリーグ優勝を逃した巨人は、主砲の岡本和真内野手が不調に苦しんだ。打率.251、30本塁打、82打点は、レギュラー定着した2018年以降いずれもワースト。8月には中田翔内野手に4番の座を譲り、6番に“降格”されたこともあった。
しかし、セイバーメトリクスの指標などでデータ分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)の指標を見ると、今季の岡本和の不調は“運”が味方しなかった部分もあるようだ。セ・リーグの規定打席到達者中ワーストだったのが「BABIP」と呼ばれる指標だ。
これは、本塁打を除くインプレ―打球が安打になった割合を示す指標。セイバーメトリクスでは、グラウンド内に飛んだ打球が安打になるかは打者がコントロールできず、運の要素が強いと考えられている。足が速い選手ほど高くなるといった傾向はあるが、平均して.300前後となる。
ただ今季の岡本和の「BABIP」は.254。レギュラー定着した2018年以降最低の数値だった。史上最年少で3割、30本塁打、100打点を達成した2018年は.346あり、ここから見れば大きく数字を下げている。
気になるのはフライアウトの割合が高いことか。長距離打者はフライが増える傾向にあるが、今季の岡本和の打球に占めるフライ割合は60.5%、さらにフライ打球のうち内野フライの割合も14.7%といずれも2018年以降では最も高かった。「BABIP」低下の要因だろう。例えば3冠王を獲得したヤクルト・村上宗隆は、フライ割合が50.4%、内野フライ割合は8.3%しかない。「BABIP」は.327に達する。
ボールゾーンのスイング率が、自己ワースト2位の29.7%を記録するなど、ボールの見極めに苦しんだ跡も見られるが、ツキのなさも打撃成績に少なからず影響していたと言えるだろう。村上とも、昨季は本塁打王を分け合っている。来季は巨人の4番打者として、完全復活を見せることはできるだろうか。
(Full-Count編集部)