プロなのに観客2700人…不人気球団の“新球場計画”に疑念 MLBトップは移転推奨?
アスレチックスはラスベガス移転も選択肢に
今季ア・リーグ西地区最下位に沈んだアスレチックスの新球場建設計画に、MLBのトップから疑問の声が上がっている。観客動員が3000人を切った試合もある不人気ぶりは深刻。現在の球場近くに新たな本拠地を計画中だが、MLB機構のロブ・マンフレッドコミッショナーは「オークランドの市長は、オークランドで完成させようと大きな努力をしていると思う。ただそれが起こるようには見えない」と発言した。米メディア「NBCスポーツ」が伝えている。
カリフォルニア州サンフランシスコの対岸に位置するオークランドを本拠にするアスレチックス。今季も60勝102敗と大きく負け越した。1試合あたりの観客動員は1万人を切り、CBSスポーツによると4月20日(日本時間21日)には2703人を記録。スタンドは常に閑古鳥が鳴いている。
2018年に臨海地区での新球場建設を発表し、計画は進行中。ただ、マンフレッドコミッショナーは実現するとは思っていないよう。今月28日(同29日)にラジオのインタビューで発した言葉を踏まえ、記事では「実を結ぶとは確信を持てないようだ」と伝えている。
新球場建設をめぐっては、州や連邦政府からの助成金は確保しているというが、当初より予算が膨れ上がっているという。現在の予定地でなんとか建設を実現させようとしているが、同時にラスベガスへの移転も選択肢に入れているという。マンフレッドコミッショナーも「アスレチックスはオークランドでの進展の遅さを鑑み、ラスベガス代替案を模索することについては慎重に進めていると思う。彼らは(ラスベガスという)代替案を探さないといけないんだと思う」と述べている。
治安の悪さなども影を落とし、米スポーツチームの“オークランド脱出”は続いている。NBAのウォリアーズは、2019年にオークランドのオラクル・アリーナからサンフランシスコのチェイス・センターに本拠地を移転。NFLのレイダースも2020年からラスベカスに本拠を移した。アスレチックスの動向にMLBトップの発言はどう影響するのか、注目される。