DeNA悲願の優勝へ“足りないもの”とは… 宮崎がCSで見せた初犠打の大きな意味

6年契約の1年目は122試合に出場しリーグ4位の打率.300、16本50打点、チームトップの出塁率.365をマーク【写真:小林靖】
6年契約の1年目は122試合に出場しリーグ4位の打率.300、16本50打点、チームトップの出塁率.365をマーク【写真:小林靖】

犠打数、盗塁数は増え、三振数は減少…なりふり構わずつなぐ野球へ

 実際、DeNAは持ち味の連打や長打頼みから、機動力と小技を絡めて1点ずつを取る野球へシフトしつつある。昨季リーグ5位の81個だったチーム犠打は、今季102個(同4位)に増えた。盗塁も昨季リーグワーストの31個から今季同5位の49個に。盗塁刺がリーグ最多の39個に上っており、盗塁企図数は昨季の58個から88個に激増。まず走る“意欲”を見せた姿勢は買える。チーム三振数は昨季同4位の1028個からリーグ最少の932個に激減し、粘り強さを見せたことも特筆される。

 就任2年目の三浦大輔監督はシーズン中、何度も「まだまだうまくいかないこともあるが、継続していくことが大事」と口にした。今季もリーグ2位のチーム打率.251をマークしながら、4位の497得点にとどまり、効率のいい攻撃ができたとは言えない。リーグ3位のチーム打率.250ながら、断トツの619得点を叩き出したヤクルトには遠く及ばなかったが、来季以降の方向性は明確だ。

 また、三浦監督はシーズン後半“天敵”である右の下手投げの阪神・青柳晃洋投手が先発する試合では、宮崎をスタメンから外した。宮崎は「使って下さるか、スタメンを外れるかは、監督さんが決めることですが、常に自分に対する配球、球種を考えてはいます」と語ったが、選手の格にこだわらず、シンプルに勝てる確率を模索する姿勢を打ち出した。

 投手陣は昨季リーグワーストの4.15に沈んだチーム防御率を、今季は3位の3.48へと改善した。それだけに、攻撃面でなりふり構わずつなぐ野球が成熟すれば、いよいよ1年後の美酒が現実味を帯びる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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