イチロー氏の“毎朝カレー伝説”の真偽 女子高生に問われ「同じものを食べ続けていると…」

3日に行われたエキシビションマッチに出場したイチロー氏【写真:荒川祐史】
3日に行われたエキシビションマッチに出場したイチロー氏【写真:荒川祐史】

女子高生の質問「今でも毎日カレーを?」への深すぎる答え

 マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏率いる「イチロー選抜KOBE CHIBEN」と「高校野球女子選抜」が、3日に東京ドームでエキシビションマッチを開催。イチロー氏は終了後、女子選手全員を前に約55分間にわたる“講義”を行い、その中で継続することの大切さを熱く語った。

 講義中にある選手から「自分自身のことで凄いと思っているところは?」と質問され、「それは他人に決めてほしいな。僕ってこんなに凄いんだよって言ったら、おかしいでしょ?」と苦笑したイチロー氏。それでも相手の真剣なまなざしに、「凄いのかどうかはわからないけれど……信じたことを続けられる能力はある。退屈にならない。ずーっと同じことをできる。それは僕のとりえではある」と回答した。

 さらに「それは結構できない人も多い。特にMLBの選手を見ていると、できない人の方が圧倒的に多い。それを続けていけばいいのになぁ、と思うことがたくさんあります」と、メジャーリーガーにアドバイスを送る立場ならではの話を盛り込む。

「結果が出ないからと言って、すぐにそれまでやっていた動きをやめてしまったら、(たまたま)結果が出たとしても、それって縁起担ぎみたいなものだからさ。すぐになくなってしまうと思う。正解か不正解か、答えにたどりつくまで続けてみないとわからない」

 そして、こうも表現した。「同じものを毎日食べ続けていると、わずかな違いに気付くようになる。同じメニューなのに味が違う、作っている人が違うのかなって。小さい違いに気付ける感覚を持ってほしい。(野球を)うまくなろうと思ったら、それはすごく大事」

 食事といえば、イチロー氏は現役時代、毎朝欠かさずカレーを食べていると都市伝説的に語られていた。講義終了後、サインを所望した選手から「今でも毎日カレーを食べていらっしゃるのですか?」と聞かれたイチロー氏。「それを話し始めると長くなる」と言いつつ、「ホームゲームで家にいた時だけだから。1シーズン162試合のうち半分だから、MAX81回になるけれど、そこまでは食べていない。ビジターの時はハンバーガーとか食べていたよ」と詳しく明かした。

 それにしても一般の人に比べれば、カレーの頻度が異常に多かったのは間違いなさそう。毎日のように同じ物を食べ、私生活を含めて“ちょっとした違いに気付く”メンタリティを持っていたからこそ、毎年コンスタントに抜群の成績を残すことができたのかもしれない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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