2mの“超短距離”ダッシュで球速アップ 中日・小笠原が中学時代に取り組んだ練習

100球の投球=100回の一瞬 瞬発力を鍛える練習メニューに重点

 野球塾を始めたばかりの頃、長坂さんは神奈川県にある中学硬式の強豪「湘南ボーイズ」で投手の指導をしていた。ここでも、「球速を上げたい」と教えを求める子どもがいた。その筆頭が、後に中日からドラフト1位で指名される小笠原だった。

「小笠原はとにかく速い球が投げたい、投げ方を教えてくださいと、よく質問していました」

 長坂さんは速い球を投げるには、いかにリリースの瞬間に無駄なく力を伝達するかがポイントになると説明した。瞬発的な力の出し方を覚えるためにジャンプを取り入れた練習メニューを組み「投球で力を出すのは一瞬で、一瞬の繰り返し。1試合で100球投げるのであれば、100回の一瞬を繰り返す」と伝えた。大きく前に飛んだり、横に飛んだり、小笠原はジャンプのメニューで「一瞬の感覚」を磨いた。

 ジャンプに加えて重点を置いていた練習がダッシュ。当時はダッシュや短距離のメニューは100メートルを20本というような内容が一般的だったが、長坂さんが小笠原に提案したのは「2メートル走」だった。

 スタートの瞬間に力を出すことに集中し、2メートルだけダッシュする。急には止まらず15メートルほど流して走り、息を整えながらスタート地点に戻る。そして、再び2メートルダッシュ。小笠原は1日に100本から200本こなしていたという。

縄跳びやストレッチ交えたインターバル走も定番の練習

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