雨天中止に涙も、大学準硬式の歴史を変えた1日 諦めなかった甲子園への思い

涙を流しながら感謝の言葉を語った学生委員長の近藤みのりさん【写真:荒川祐史】
涙を流しながら感謝の言葉を語った学生委員長の近藤みのりさん【写真:荒川祐史】

学生委員長・近藤みのりさんは涙「後輩たちが必ず大会を開いてくれると願う」

 今大会のプロジェクトチーム学生委員長を務めた愛知大の近藤みのりさん(4年)は、中止が決定すると球場に足を運んだファンに向け、涙を流しながら感謝の言葉を綴った。

「このような雨のため中止になり、本当に悔しく思います。こんなにも多くの方に応援してもらえている。私は4回(年)生なので大学生として関わることはないですが、後輩たちがもう一度、必ず大会を開いてくれると願っています。まだまだ知名度が低いですが、これから発展していくスポーツだと思っています。応援を宜しくお願いします」

 今年5月に甲子園大会に向けたチーム発足し、ここまで何度もミーティングを重ねて本番の日を迎えていた。高校時代は野球とは縁のない生活を送っていたが、選手たちが学業とプライベートを両立させ、本気で野球に取り組む姿に心を奪われた。

 準硬式野球と歩んだ4年間を振り返り「硬式野球は厳しいとか、怪我で辞めたりとか、そういう人たちの選択肢の一つに準硬式が入ってくれれば。甲子園を目指せるのは意味があることだと思う。私は準硬式が好き。もっと応援してもらえれば嬉しい」と、最後は笑顔で球場を後にした。

 マイナースポーツの“準硬(じゅんこう)”だが、近年では西武の大曲錬投手が2020年ドラフト5位で福岡大準硬式野球部から入団するなど、プロからも注目を浴びている。今大会は惜しくも中止となったが、歴史を変える一歩を踏み出したのは間違いない。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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