「小学生に技術は必要ない」 “野球パパ”の元中日エースが考える保護者の役割

中日のエースとして活躍した吉見一起氏【写真:伊藤賢汰】
中日のエースとして活躍した吉見一起氏【写真:伊藤賢汰】

少年野球の保護者 役割は「楽しませる」「考えさせる」

 元中日の吉見一起さんは現在、野球解説者や古巣のトヨタ自動車硬式野球部のテクニカルアドバイザーを務めながら、YouTubeや野球教室でも知識や技術を伝えている。そして、3人の息子を育てる野球パパでもある。少年野球をする子どもの成長を支える大人の役割は「楽しませる」「考えさせる」の2つで、技術指導は必要ないという。

 2020年まで15年間、中日一筋でプレー。エースとしてチームを支え、2度の最多勝や最優秀防御率のタイトルを獲得した吉見さんは、野球教室で少年野球の子どもたちを指導する機会もある。自身も小学1年、小学5年、中学1年と3人の野球少年を育てる父親だが、周りがイメージする元プロ野球選手の英才教育とは対照的で、全く指導していないという。

「野球が好き、野球が楽しい、野球の練習に行きたいという気持ちを子どもに持ち続けてほしい。親としては、その気持ちをサポートすることしか考えていないです。小学生は野球を楽しくやっているだけで十分なので、技術は必要ないと思っています」

 子どもたちの投げ方や打ち方を見れば修正点が見えてくる。指摘したくなる気持ちもあるが「大人が考えるような技術を子どもに求めるのは無理です」と何も言わずに見守っている。息子たちに伝えているのは、1つだけだ。

メニューは子どもが決定 吉見氏のNGワードは「やりなさい」

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