元虎スアレスが異例の5年64億円をつかんだ裏事情…米メディア指摘「実力より高い」
リリーフ投手の“相場”が上昇、これからの3年間が試金石
昨季まで阪神でプレーしたロベルト・スアレス投手は、今オフパドレスと5年総額4600万ドル(約64億1700万円)の契約延長に合意した。先発と比べて年俸を抑えられやすいリリーフ投手としては、異例の長期、高額契約となった“裏事情”を、米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」が伝えている。
同メディアによると、スアレスの契約は5年総額4600万ドル。3年目の終了後に選手側からFAを選択できるオプトアウトの条項がある。さらに「この契約で、31歳のスアレスはパドレスの未来のクローザーになることを意味する:現クローザーのジョシュ・へイダーは2023年シーズン後にFA資格を得る」としている。
さらに今回の契約について「ヘイダーがそう遠くない将来にFA権を得る中、パドレスがスアレスを手元に残しておく必要があったことは明らか。とはいえ、これは目が飛び出るほどの(長期)契約だ」とその特異性を指摘している。
ベネズエラ出身のスアレスは2016年にソフトバンク入りし、2020年には阪神へ移籍。日本球界に6年所属したのち、今季待望のメジャーデビューを迎えた。45試合に登板して5勝1敗1セーブ、11ホールド。防御率も2.27という好成績だった。
ただ、同メディアはこの契約の“危険性”も説いている。「スアレスは3月1日に32歳になる上に、リリーフとの長期契約が結果的にチームを利することはほとんどない。パドレスはそれをすでに経験済みだ。ドリュー・ポメランツはパドレスと4年3400万ドルの契約を結んだとき31歳だったが、その後の3シーズン(2020~22)合計で50イニングに届いていない」と、今後成績が落ち込む可能性もあるとしている。
今オフ、メッツがエドウィン・ディアス投手とリリーフ投手史上最高額となる5年総額1億200万ドル(約142億4000万円)で契約した。これにより「パドレスはスアレスと再契約するには。実力より高い金額を出すしかなかった」という事情もあるという。「スアレスが今後怪我なく過ごし、新契約の最初の3年間で結果を残して34歳でオプトアウトを選択するのが理想的だが、そうならない場合の損害は大きい」とし、スアレスにとっては今後3年が自身とチームの運命を左右すると見ている。
(Full-Count編集部)