初の首位打者・日本ハム松本剛 新庄剛志監督が11年目の飛躍を確信した“2月の涙”

新庄監督ご満悦「松本君と加藤君がね、タレントになったでしょう」

 さらにブレない姿勢も強みだった。新庄監督は説明する。

「キャンプの時からシーズン最後まで全く同じ練習をしていました。それは凄い。もっと打ちたいから変えたくなるんですよ、選手っていうのは。常に一緒のタイミングで、打撃練習から真剣。打者って1回崩れたらすぐ調子が崩れてしまう。バッティング1つでも1分間の間に適当に打っていたらガーって崩れてしまう。それがなかった。骨折してからちょっと間があいて、どうなるかなって心配していたけど、キャンプからずっとやってきた積み重ねを筋肉や脳が覚えていて、それをしっかり取り戻すだけっていうね。練習はもの凄く大事なことだなって思いました」

 松本剛以外にも、今季は選手の涙を多く目にした。「3割5分打っている選手ですらそういう気持ちになったシーズン。若い子たちはさらに、松本くんくらいか、それ以上の気持ちでやっていたからこそ涙がね。涙を見るたびに感動していました」と“本気”の姿に目を細めた。

 就任会見で「タレント育成」を掲げてから約1年。「松本君と加藤君がね、タレントになったでしょう」と満足げだった新庄監督のもと、新球場元年となる来季もさらなるタレント誕生を期待したい。

○著者プロフィール
町田利衣(まちだ・りえ)
東京都生まれ。慶大を卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。2011年から北海道総局で日本ハムを担当。2014年から東京本社スポーツ部でヤクルト、ロッテ、DeNAなどを担当。2021年10月からFull-Count編集部に所属。

(町田利衣 / Rie Machida)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY