なぜ中日は主力の京田を放出? 立浪監督の期待が落胆に…歯車狂った強制送還

“京田なき遊撃”で迷走続く…高橋周を8年ぶり起用も

 立浪野球を完成させる上で、欠かせない1人であったことには間違いない。新生ドラゴンズでは、エースの大野雄大投手とベテランの大島洋平外野手をキャプテンに任命。京田とも就任直後から密にコミュニケーションを取っていた。自身の現役時代と同じ遊撃手ということもあり、臨時コーチを務めた2021年の春季キャンプから目をかけていたのは確かだった。

 ただ、京田は立浪監督の打撃論をうまく体現できず、目先の結果欲しさに自己流に舵を切った時期もあった。指導には合う合わないがあるとはいえ、その姿を見た指揮官の胸中が期待から徐々に落胆へと変っていったのも想像できる。5月の強制送還が、その発端となったのは事実だった。

 チームでは今季、“京田なき遊撃”で迷走が続いた。12年目の三ツ俣大樹内野手や10年目の溝脇隼人内野手らを起用しながら、三塁でゴールデングラブ賞に2度輝いている高橋周平内野手を8年ぶりにショートで起用したことも。シーズン終盤にかけては高卒2年目の土田龍空内野手が成長を見せたが、負担の大きいポジションでシーズンを全うできる保証はまだない。三ツ俣は10月に戦力外となった。

 長らく続く低迷で改革待ったなしの来季、就任2年目の立浪監督も真価を問われる。その一手として京田放出のカードを切ったように見えるが、2軍で塩漬けになるよりも、心機一転を図れる環境を与えたという“最後の親心”とも受け取れる。このトレードが正解か否かは、京田自身がバットで証明するしかない。

(Full-Count編集部)

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