12球団最悪の悲劇 ドラフトで獲れども苦戦の連続…ロッテを悩ます“急所”

ロッテ・藤岡裕大(左)、平沢大河【写真:小林靖、荒川祐史】
ロッテ・藤岡裕大(左)、平沢大河【写真:小林靖、荒川祐史】

「wRAA」は12球団ワースト-20.5でソフトバンクとは42.2も差が…

 今季5位に終わったロッテは、吉井理人新監督のもと来季に向けたスタートを切っている。今季の戦いを、セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータで検証してみると、“穴”が浮き彫りに。そこには期待の選手をドラフト指名しながらもレギュラーに定着できない苦悩が浮かび上がった。

 リーグの平均的な打者に比べてどれだけチームの得点を増減させたかを示す指標「wRAA」では、捕手、遊撃、指名打者で12球団ワースト。遊撃は「-20.5」で、トップだったソフトバンクの「21.7」と比べて「42.2」もの差があり、いかに苦しんだかがわかる。

 2016年まで絶対的なレギュラーだった鈴木大地(現楽天)が2017年に二塁転向。同年は2014年ドラフト1位の中村奨吾、2015年同1位の平沢大河の戦いが予想されたがどちらも定着できず、最多のスタメン出場は三木亮の62試合だった。

 2017年ドラフト2位の藤岡裕大が新人だった2018年に139試合で先発出場も、2019年は再び群雄割拠に。今季は来日2年目のアデイニー・エチェバリアが60試合、茶谷健太が43試合、藤岡が23試合、2020年ドラフト3位で“大学ナンバーワン遊撃手”といわれた小川龍成が17試合という内訳だった。平沢は今季は一塁、二塁、三塁で出場し、遊撃での出場はなかった。

 重要なセンターラインで内野の要といわれるポジションだけに、そう簡単にレギュラーを勝ち取る選手が出てくるのは難しい。しかし毎年のように有望株を指名しながらもレギュラーを奪取できないもどかしさはあるだろう。

 今秋のドラフト会議では天理大の友杉篤輝を2位指名した。内野ならどこでも守ることができる俊足好打の内野手で、定位置獲りに名乗りをあげる存在だ。吉井新監督を納得させる絶対的な存在は来季現れるのか。“遊撃問題”が解決されたとき、2005年以来のリーグ優勝も見えてくるはずだ。

(Full-Count編集部)

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