トレード3件、FA補強…新庄ハムの残りの穴は? “日本一宣言”でうかがえる本気度
昨季最終戦で「日本一だけを目指します」、今オフはすでに補強続々
日本ハムは19日、国内フリーエージェント(FA)権を行使したオリックス・伏見寅威捕手の獲得を発表した。「来年は2位も6位も一緒」と“優勝宣言”した新庄剛志監督。2年目に向け、今オフはすでにトレードを3件成立させるなど積極補強に動いている。最下位から巻き返すために、残りの“課題点”はなんだろうか。客観的数値でプロ野球の分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)の指標をもとに調べてみた。
日本ハムがFA選手を獲得するのは、2017年の鶴岡慎也以来、実に5年ぶり。今季は宇佐見真吾捕手が78試合に出場し、打率.256、5本塁打、24打点と奮起した。しかし、リーグの平均的な打者に比べてどれだけチームの得点を増減させたかを示す指標「wRAA」は「-21.8」でリーグ5位。また、守備全般での貢献を示す「UZR」も「-1.3」でリーグワーストだった。オリックスをリーグ連覇に導いた経験値のある捕手は、チームの補強ポイントに合致していた。
守備位置別の「wRAA」の指標を見ると、日本ハムはリーグ最下位のポジションはない。しかし、捕手、二塁、三塁、遊撃、右翼でマイナスを記録し、全体では「-47.2」はぶっちぎり最下位だった。
今オフ、すでに3件のトレードを成立させ、野手は西武から山田遥楓内野手、阪神から江越大賀外野手を獲得した。中でも山田は内野全てを守れるユーティリティ。アリスメンディ・アルカンタラ内野手は来季残留が決まっており、今季の成績で見ると、三塁は野村佑希内野手、遊撃は上川畑大悟内野手、二塁はアルカンタラがメーンになりそうだが、山田が加わることで、内野全体の底上げも期待できる。
外野は中堅が「9.4」、左翼が「14.8」と高数値を記録。江越の加入の一方で、近藤健介外野手が海外FA権を行使して流出の可能性もある。今川優馬外野手、万波中正外野手ら若手も台頭してきたが、まだまだ盤石とは言えないだろう。
投手陣も堀瑞輝投手、宮西尚生投手ら中継ぎ陣が苦戦。加藤貴之投手、伊藤大海投手、上沢直之投手の先発3本柱は安定していたが、4番手以降に課題も残った。既に、阪神から齋藤友貴哉投手、オリックスから齋藤綱記投手をトレードで獲得。チーム防御率5位に終わった昨季からの巻き返しを図っている。
(Full-Count編集部)