「僕なんか比べ物にならない」 元鷹左腕の京大監督が“秀才右腕”に託した思い

近田監督「ホークスさんに指名されて良かった」

 水口は医学部に在籍中で、来年2月には理学療法士の資格を得るための国家試験に臨む予定。春季キャンプは途中離脱する可能性もあるが、球団はそれも容認しているという。異例の経歴とポテンシャルを誇った選手は過去にも存在しない。この先はソフトバンクの育成力が試されることになるだろう。

 これまでも千賀、甲斐ら“育成出身”を数多く一流選手に導いている。近田監督は現役時代にその“過程”を見届けており、千賀とは今でも連絡を取り合う仲だ。

「やっぱりポテンシャル、身長の高さ。体の大きさで。筋量が入る器が大きいので。かと言ってまだまだ大きいだけで、本当の芯の強さというのは全然足りない。そこをしっかりホークスさんが見抜いて育ててくれると思う。そういう意味ではホークスさんに指名されて良かったかなと思っています」

 厳しいプロの世界で“秀才右腕”はどのような人生を歩んでいくのか。叶わなかった1軍登板。ホークスの先輩として近田監督は教え子の成功を心から願っている。

○著者プロフィール
橋本健吾(はしもと・けんご)
1984年6月、兵庫県生まれ。報徳学園時代は「2番・左翼」として2002年は選抜優勝を経験。立命大では準硬式野球部に入り主将、4年時には日本代表に選出される。製薬会社を経て報知新聞社に入社しアマ野球、オリックス、阪神を担当。2018年からFull-Countに所属。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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