高校の監督に転身した“松井キラー”遠山昭治氏 激戦区・大阪を勝ち抜くための指導理論

現役時代の終盤は“松井秀喜キラー”として名を馳せた元・阪神などの遠山昭治氏【写真:山口真司】
現役時代の終盤は“松井秀喜キラー”として名を馳せた元・阪神などの遠山昭治氏【写真:山口真司】

元阪神、ロッテの遠山昭治氏は浪速高野球部を率いる

 高校野球は、来春の選抜大会出場を目指した各地の秋季大会も終了。敗れたチームは、すでに先を見据えて練習に励んでいる。大阪大会4回戦で涙をのんだ浪速高校硬式野球部もそう。監督は元阪神、ロッテの遠山昭治氏だ。現役時代の終盤は“松井秀喜キラー”として名を馳せた左腕は2019年11月、浪速高校の監督に就任。ハイレベルな大阪で健闘しているが、まだまだ目指すものがある。その指導理論、指導方法とは……。

 あの“ゴジラキラー”も、今やすっかり高校野球の監督だ。「フィールド、学校、家庭と三位一体で生徒を指導していくというか、見ていくというか、そういうことをやっています」。野球部の練習だけでなく、学校での様子は担任教諭らから、家庭のことは保護者から協力してもらいながら情報収集。それを知った上で、生徒たちに接している。「家ではうるさいらしいけど、グラウンドでは静かやなとか、そんな感じで声をかけたりしていますよ」。

 その一環で、保護者の練習見学もフリーにした。「以前は土日だけとか、試合だけとかだったんですけど、今はいつでもOK。おじいちゃん、おばあちゃんでもどんどん来てくださいって言っています」。チームや子どもの現状をより理解してもらえることもプラスという。「生徒が僕の現役時代のことを聞いてくることはまずないけど、世代的に保護者の方からはよくありますよ。僕も話し好きですからね」と、こちらとのコミュニケーションもばっちりのようだ。

 もちろん、チーム強化にも全力を尽くしている。大阪には大阪桐蔭や履正社など大きな壁がある。「生徒たちには、がむしゃらにいかないと相当差があるぞと言っています」という。だから、あえて「打倒・大阪桐蔭」のような旗印も掲げていない。「まずは、それが言えるようなレベルまでなろうということです。でも、そこまで行ったら、取りにいくぞって伝えています。そのためにも、もっともっと力をつけようってね」。

自身の高校時代をイメージして指導…打撃を実演することも

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