長く現役続けるなら天才肌より“努力型”? モーグル上村愛子の持論に五十嵐亮太が共感

日米23年のプロ野球生活を送った五十嵐亮太さん【写真:荒川祐史】
日米23年のプロ野球生活を送った五十嵐亮太さん【写真:荒川祐史】

毎日コツコツ積み上げるか、大会のサイクルに照準を合わせるか

五十嵐:ずっとスキーだったんですか?

上村:中学では陸上部でした。あんまりみんなが選ばないから、得意じゃないのにハードルと800メートルを。天の邪鬼なんですよね(笑)。他校の選手と争うのはいいんですけど、チーム内や身近で争うのが好きではなくて……。

五十嵐:う~ん、その心境はちょっと分からないな(笑)。勝負の世界は誰かと戦わないといけないから、味方にも勝ち、敵にも勝って、というところで僕は生きてきたので。

上村:でも、モーグルでは3歳上に長野五輪金メダルの里谷多英さんがいて、ある時期、私のライバル心がメラメラしたことがありました。彼女は世界トップだったので目指すべき存在だし、彼女を越えたら世界一なんだ、という単純な発想もあったんですけど。

五十嵐:なるほど。でも、それは正しい思考ですよね。

上村:今はすごく仲が良くて「あの時はゴメンね」なんて話もします。私は多英さんを尊敬しているし、多英さんは「私ができなかったやり方で愛子は勝ってきたから」と言ってくれる。競技へのアプローチが全く違うけど、お互い尊敬しています。

五十嵐:同じ競技でもアプローチが違うんですか。

上村:はい、性格がちょっと違うんですよ。多英さんは4年に1回の五輪にきっちり合わせる人で、メダルも2つ持っている。理由を聞いたら「愛子みたいに毎年コツコツできないから」って。私は五輪で金メダルを獲ると考えた時、逆算して毎日少しずつ完成度を高めないと無理だと思うタイプ。少し完璧主義の傾向があるんです。

五十嵐:アスリートは上村さんタイプが多そうだけど。

上村:ですよね(笑)。でも、多英さんはスキーは大好きだけど、毎日はコツコツできない。だからこそ「五輪で結果を出さないと競技を続けられない」と背水の陣で戦うタイプ。私と2人合わさったらタイトル全部獲れたねって話すんです(笑)。

天才肌と努力型、野球で長いキャリアを積むのは…

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