球界ワーストは佐々木朗希と約30キロの差 “激遅ストレート”でも勝てる痛快事実
佐々木朗希のストレート平均球速は158.4キロ、最遅は130.5キロ
プロ野球はスピード全盛の時代にいる。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)によると、今季直球の平均球速はパ・リーグで146.4キロ、セ・リーグで145.9キロ。5年前の2017年は、パで143.7キロ、セで142.8キロとなっており、3キロ近くは上昇している。エンターテインメント性も増す力と力の勝負。その一方で、球速に頼らずとも勝てる術も存在し続けている。
確かにスピードボールは魅力で、トレンドのひとつにもなっている。今季40イニング以上を投げた投手で、ストレートの平均球速トップはもちろんロッテの佐々木朗希投手。実に158.4キロをマークした。平均150キロ超えも23人を数え、速さは正義のひとつになっている。
球が速くないとプロにはなれない――。そんな不安を抱く少年たちもいるだろうが、直球が遅くても一線で活躍する選手は少なくない。今季も結果を残した技巧派たちがいた。“最遅”は西武の與座海人投手で130.5キロ。サブマリン右腕で当然の結果だが、佐々木朗とは28キロほどの差があった。それでも今季は自身初の2桁勝利となる10勝をマークしてAクラス入りに貢献。白星の数では令和の怪物を1つ上回った。
次いでヤクルトの石川雅規投手が132.2キロ。来年43歳を迎える大ベテランは16登板で6勝をマークしてみせた。135.8キロだった楽天の辛島航投手も今季6勝。137.9キロだった日本ハムの加藤貴之投手は、チーム2位の8勝を挙げ、防御率2.01と抜群の数字を残した。交流戦では、規定投球回をクリアした上で防御率0.00というパ・リーグ投手史上初の快挙も達成。シーズン通算11与四球は、野口二郎氏が1950年に記録した「14」を71年ぶりに更新した。
速い真っ直ぐがなくても、針の穴を通す制球力と投球術で打者を抑えることができると証明する投手たち。来季も“スロー直球”で強打者たちを手玉に取る姿に期待したい。