イチロー氏におちょくられて「バカヤロー」 オリ元主砲が回顧…忘れられない会話

元オリックス・藤井康雄氏【写真:山口真司】
元オリックス・藤井康雄氏【写真:山口真司】

バスケットシューズを見に新宿の街へ…グラウンドとは全く違う姿

 これに藤井氏は笑顔で「バカヤロー」と返したという。当時のイチロー氏は実際にそれを上回るペースでヒットを量産しており、自信の裏付けもあっての発言でもあったのだろう。「イチローで印象に残っているのはルーティンがしっかりしていることですよね。常に同じことを繰り返しやっていた。試合が終わったら、ベンチ裏でグラブとスパイクを磨いて上がってくるとかもね、とにかく24時間、野球に取り組んでいましたね」と懐かしんだ。

「そういえば、若い頃のいつだったか、新宿の靴屋に一緒に行ったこともありました。イチローがバスケットシューズを見に行きたいって言い出してね、あいつはそれを集めるのが趣味だったんでしょ。僕は全く興味がなかったんですけどね」。目を輝かせながらバッシュを見つめる、ユニホームを着ている時とは雰囲気も違う姿をよく覚えている。「技術論はあまりしなかったというか、できないという感じでした。感覚が違うと思ったしね」というが、チームメートとしてのイチロー氏との思い出もまた尽きない様子だった。

 そんな藤井氏には対戦相手にも印象深い投手はいる。1987年から2002年までの16年間の現役プロ生活。繰り広げた名勝負は数多い。「忘れられない相手はいっぱいいますよ。いっぱい、それぞれあります。各球団のエース級はみんなすごい投手でしたしね。一番を選ぶのは難しい」と話す。その中で、敢えて絞り込んで出てきた名前は3人。それは同郷の大先輩と、イチロー氏の好敵手でもあった2人のメジャーリーガーだった。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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