名球会の“長老”が入会条件に持論 米田哲也氏「今後えこひいきが起きないように…」
84歳で登板、現役時代は通算350勝で「人間機関車」の異名
プロ野球界のレジェンドが集う名球会のオールスター戦が10日、沖縄セルラースタジアム那覇で行われ、参加選手中最年長の84歳で歴代2位の通算350勝を誇る米田哲也氏も登板。試合後には、名球会の将来について持論を展開した。
米田氏がパ・リーグチームの3番手投手としてマウンドに上がったのは4回。松原誠氏(元大洋、巨人)に4球を投じ、遊ゴロに仕留めた。マウンドと本塁の中間あたりからの投球で、捕手からの返球は1球1球、三塁手の小久保裕紀氏(ソフトバンク2軍監督)が受け、米田氏のもとへ走り寄って手渡した。「もう何十年もボールを握っていなかった。いっそのこと、投げずに転がそうかと思ったよ。こんなことではいかんね。捕る方も、白内障の手術を受けたばかりで遠近感があかんねん」と苦笑した。
とは言え、阪急、阪神、近鉄を渡り歩き、故・金田正一氏の通算400勝に次ぐ350勝を挙げた実績は圧倒的だ。そのタフネスから「人間機関車」の異名を取った。今回不参加のメンバーを含めても、名球会で年上は88歳の小山正明氏、86歳の広瀬叔功氏ら、わずかしかいない長老だ。
名球会は前日の総会で、会員の4分の3以上の賛成をもって、元巨人・上原浩治氏と元阪神・藤川球児氏の特例での入会を決定した。投手の分業化が進む中で、上原氏は134勝128セーブ104ホールド、藤川氏は245セーブ164ホールドを挙げている。米田氏は「新しい仲間が増えるのは喜ばしいが、今後えこひいきが起きないように、きっちりした入会条件をつくらなあかんよ」と持論を述べた。