最弱だったエ軍マイナー組織「才能ある選手増えた」 GMが仕掛けた“組織改革”
育成ディレクターも自信「ここ数年の進歩は明らかに励みになっている」
大谷翔平投手の所属するエンゼルス地元紙「オレンジカウンティ・レジスター」のエンゼルス番ジェフ・フレッチャー記者は、チームが長年低迷する原因としてファームの失敗を挙げた。しかし近年は確実に変化を見せており、組織改革も進んでいる。
2020年11月にペリー・ミナシアンGMが就任してから、マイナーも勝利を求める方針に。2019年のマイナーは勝率最下位だったが、今季は2つのチームがプレーオフに進出した。ドラフトでもザック・ネト内野手やベン・ジョイス投手ら有望選手を指名しており、ある球団のスカウトは「間違いなく才能がある選手が増えている」と話す。
また2020年12月にカージナルスから移籍してきた育成ディレクターのジョーイ・プレビンスキー氏は「ここ数年の進歩は明らかに励みになっている」と語った。その進歩が戦い方などにも影響を与え、結果にも直結。メジャーデビューに繋がった選手もいた。チェイス・シルセス投手、ローガン・オーハッピー捕手、リバン・ソト内野手は今季マイナー2Aから飛び級でメジャー昇格した。ミナシアンGMが獲得したトッププロスペクトのタッカー・デビッドソン投手とミッキー・モニアック外野手もメジャーでプレーしている。
チームの根幹となるドラフトでは即戦力の大学生か、将来性の高校生を指名するか。ミナシアンGMはどちらかに限定することなく、チーム作りを進めたという。しかしトップクラスのFA選手を2年連続で獲得したため、ドラフト2巡目指名権を2年連続で放棄。他の指名に力を注ぐことになった。昨年のドラフトでは、全てのスカウトと多くのマイナーリーグのスタッフを呼び、他球団より1週間長い、2週間かけて準備した。「これはスタッフ強化にとって重要なこと」と重視。ときにはスタッフたちが口論になることもあったが、それもミナシアンGMが望む議論となったという。
また、エンゼルスはマイナーのコーチ陣に対して大幅な賃金アップを実行。これまでコーチ陣やスカウト陣の賃金はメジャーの下位に沈んでいたが、賃金アップによりスタッフの満足度や、優秀なコーチをチームにとどまらせることに繋がったという。確かに“変化”しているエンゼルス。来季はプレーオフ進出を果たせるのだろうか。
(Full-Count編集部)