なぜメジャーで長期契約が流行? 選手と球団に利点…年俸抑えて474億円のカラクリ
トレード・ルーマーズ「長期契約が、このオフに流行している」
メジャーで今オフ、高額な長期契約が相次いでいる。14日にはツインズからFAとなっていた遊撃手のカルロス・コレアがジャイアンツと13年総額3億5000万ドル(約474億円)で合意したと伝えられた。米最大の移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」は「このような長期契約が、このオフに流行している」と指摘。その“カラクリ”にも触れている。
コレアの契約は総額こそ遊撃手史上最高額となったが、年平均でならすと約2692万ドル(約36億5000万円)。ルーマーズが予想していた3200万ドル(約43億4000万円)を大きく下回った。MLB史上の契約でトップ25にも入ってないといい「彼は平均年俸額を犠牲にして、より高額な契約総額が保証されることを選んだ」との見方を示す。
コレア以外にも、長期契約を結んだ選手は少なくない。トレイ・ターナー内野手はフィリーズと、ザンダー・ボガーツ内野手はパドレスと、それぞれ11年契約を締結。40歳のシーズンまで保証されることになった。さらに最も注目されていたアーロン・ジャッジ外野手も9年契約でヤンキース残留を選んだ。ルーマーズは「これらの契約は、我々が予想したより長く、契約金の総額も高くなっている」と変化を感じ取る。
背景には、各球団が避けたい“罰則”がある。「球団の観点から考えると、長期契約で平均年俸を抑えることに対しては長期的に見るとマイナス面があるが、短期的には贅沢税を回避するという利点がある」と指摘。「Roster Resource」の予測によると、コレアを獲得したジャイアンツの2023年の年棒は、1億9000万ドル(258億円)程度。贅沢税が課される基準ラインは2億600万ドル(約279億円)あたりになる可能性があるという。
一方で、選手にとってもメリットはある。目先の収入はわずかに減るが、晩年まで契約が確保されている安心感は大きい。双方の利害が合致する長期契約は、今後も続くのか注目される。
(Full-Count編集部)