戦力外直後に「育休」を決断 不安と葛藤も…新たな道を歩む元オリ投手、“再生の1年”
古巣・オリックスの日本シリーズを観戦「本当に凄い」「純粋に試合を楽しんだ」
昨年夏頃には、現在の会社から内定を受けたが「年明けからお願いします」と、今年1月からに先延ばしてもらった。“育休”期間を終えると、未知の世界だった不動産業界でセカンドキャリアをスタートさせた。プロ入り前は「富士重工業」に務めており社会人の経験はあったが、9年ぶりのサラリーマン生活は苦難の連続だった。
「分からないことが、分からないといった感じで……。名刺を渡す時も『どっちむけて出すんだっけ?』って(笑)。覚えることは多いですが、しっかりと仕事をこなせるように日々、努力していくしかないです」
今年、古巣のオリックスはリーグ連覇、26年ぶりの日本一を達成した。仕事仲間と共に神宮で行われたヤクルトとの日本シリーズを観戦し「本当に凄いなと。経験のない若い子たちも投げていたりして。『比嘉さん、平野さんが投げないかな?』、『今日は若月がキャッチャーじゃないんだ』と純粋に試合を楽しんでいました」と、仲間たちの活躍を心から喜んだ。
現役への未練はないが、将来的には「野球をやっていたことを生かせることもやってみたい」と考えている。ユニホームからスーツに着替えて歩む第二の人生。“ルーキーイヤー”を終えた東明氏は「今の仕事を1人で任せてもらえるように。中途半端になるのが一番、嫌なので。しっかりと会社に貢献したい」と、現役時代と変わらない笑顔を見せていた。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)