「青春って密」仙台育英・須江監督がくれた刺激 同級生が教員となって挑む“壁”

仙台育英・須江航監督【写真:小林靖】
仙台育英・須江航監督【写真:小林靖】

仙台東の芳賀崇監督、2001年に仙台育英のエースとして選抜準優勝

 宮城県の公立高校、仙台東の芳賀崇監督は、仙台育英(宮城)が2001年の選抜大会で準優勝した時のエース左腕だ。今夏、東北勢初の甲子園優勝を成し遂げた母校を指揮する須江航監督とは同級生。大学卒業後、教員を目指した理由のひとつに、須江監督の存在がある。同じ県内の指導者となり、「子どもたちの前に乗り越えてほしい高い壁を作ってくれている」と、教え子たちとともに“壁”に挑んでいる。【高橋昌江】

 今年の春、満開の桜に囲まれた松島運動公園野球場で伸びやかにプレーしていたのが仙台東だった。宮城県大会の出場権をかけた中部地区予選。仙台と対戦した仙台東は初回に1点を失ったが、3回に逆転すると、その後はペースをつかんで8-1の8回コールド勝ちを収めた。

 指揮する芳賀監督は仙台育英の卒業生で、2001年選抜大会の準V左腕だ。2015年から宮城県の公立高校の保健体育科教諭となり、村田で野球部の部長や監督を務めた。昨年の異動で、県内初の英語科を設置して1987年に開校した仙台東に赴任した。

 東北勢初の選抜大会決勝に進出した時、背番号1を背負っていた芳賀監督。記録員としてベンチ入りし、その軌跡をスコアに記していたのが、現在、仙台育英でタクトを振る同級生の須江監督だった。高校を卒業して20年。互いに教員となり、高校野球の指導者をしている。

「仙台東は日本一になりたいと思って入ってくる子だけのチームではありません。野球が好きで頑張りたい、野球も勉強も頑張りたいと思っている子もいれば、劣等感があって自信のない子もいます。なかなか勝ち上がれませんが、面白いですよ」

塾講師をやっていたころ、立ち寄った母校「野球も教えたい」

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