高橋光成は「まだ物足りない」 メジャー志望に“待った”渡辺GMが突いた泣き所
「いつポスティングさせるとかいう話ではない」強調
西武の高橋光成投手が20日、所沢市内の球団事務所で、今年から代理人を務める深谷拓弁護士を伴って契約更改交渉に臨み、今季1億1000万円から7000万円増の年俸1億8000万円プラス出来高(金額は推定)でサインした。席上、ポスティングシステムによるメジャー移籍の意志があることを強く伝えたが、交渉に当たった渡辺久信GMの反応は──。
「将来的にメジャー移籍の意志があると聞いた、というところです。意志を聞いただけです。そういうニュアンスのことは以前から聞いていましたし、いつポスティングをさせるとかいう話ではありません」と強調した渡辺GM。「まずは来季、投手陣の中心としてやってほしいし、本人も優勝、日本一をすごく意識していて、自覚が出てきていると感じます」と語った。
高橋は2年連続の開幕投手を務めた今季、自己最多で3度目の2桁勝利となる12勝(8敗)を挙げ、リーグ4位の防御率2.20をマーク。QS(クオリティスタート=先発して6回以上を投げ自責点3以下)はリーグ2位の21度に及び、QS率80.8%の安定感を誇った。渡辺GMは「成長はしています。イニングを食ってくれるし、先発ローテーションをしっかり守ってくれるのはありがたい。非常によくやってくれたと思います」と称えつつ、「よく頑張っているが、みなさんも感じていると思うけれど、もうひとつ物足りないところがある」とも。
高橋の12勝はリーグ単独2位の数字だが、最多勝に輝いたオリックス・山本由伸投手の15勝とは3勝差があった。渡辺GMは「カードの頭でエース同士の対決が多い事情があるし、その中である程度の成績を残してはいるが、結局、大勝ちはしていない。もっと上を目指せる素質、ポテンシャルを持っている投手だと思うので、11~12勝だと……」と注文をつけた。誰もが認める球界を代表する投手になるまで、ポスティングはまだ早い、といったところだろうか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)