“打撃4部門で1位”「台湾の山田哲人」が快挙…初の二塁手MVP 2022年CPBL表彰選手

打撃4部門で“リーグトップ”になった楽天・林立【写真提供:CPBL】
打撃4部門で“リーグトップ”になった楽天・林立【写真提供:CPBL】

楽天の林立は打率.335、14発83打点140安打と打撃4部門で“リーグトップ”

 台湾プロ野球(CPBL)の2022年シーズンは前期優勝の楽天モンキーズと、味全ドラゴンズとのプレーオフを勝ち抜いた後期優勝の中信兄弟が台湾シリーズで対決。林威助監督や平野恵一打撃・野手統括コーチらが率いた中信兄弟が4連勝でリーグ2連覇を果たした。年間表彰式が11月30日に台北市内のホテルで開催され、投打各タイトル、既に発表されていたベストナイン、ゴールデングラブ賞、カムバック賞などの表彰とともに新人王、最大成長賞、年間MVPが決定した。

 年間MVPの候補となったのは3人。一昨年、昨年のMVPで、今季もリーグトップの14勝&158奪三振、同2位の防御率2.44をマークして投手部門のベストナインに選ばれたドミニカ人左腕、ホセ・デポーラ(中信)、防御率2.33で台湾投手として8年ぶりにトップに輝いた黄子鵬(楽天)、打率.335、14本塁打、83打点、140安打をマークし、打撃4部門で“リーグトップ”になった林立(楽天)の3人がノミネートされていた。

 結果、林立が175ポイントを獲得、2位のデポーラ(78ポイント)、3位の黄子鵬(63ポイント)に大差をつけMVPに輝いた。各タイトルの受賞者を1人に限定するCPBLの規定により、ホームラン王は14本と同数ながらより打数が少ない吉力吉撈.鞏冠(味全)に譲ったものの、NPB式にいえば「3冠王」のパフォーマンスが多くの記者の支持を集めた。台湾プロ野球33年の歴史で、二塁手のMVPは初だった。

 林立は「自分が最高の選手だとは思わない。ただ、ベストを尽くそうと心がけてきた。満足することなく今後も努力を続け、自分をより高めていきたい」と述べ、課題と自覚しているという守備も磨いていきたいと誓った。楽天の古久保健二ヘッドコーチも、前期優勝直後のインタビューで日本のファンに注目してもらいたい選手として最初に名を挙げた林立。高い身体能力、スピードとパワーを兼ね備え「台湾の山田哲人」と呼ばれることもあるアミ族出身のスタープレーヤーは1月1日、27歳の誕生日を迎える。リーグの看板選手としてさらなる活躍が期待される。

 著しい成長をみせたプレーヤーに送られる「最大成長賞」には中信の右腕、呉哲源が輝いた。今季34登板(15先発)でシーズン中盤からローテ入りし、規定投球回数(120回)にも到達。リーグ6位の11勝(1敗)、防御率2.85、WHIP1.15と活躍。台湾シリーズ第4戦でも先発し勝利投手となった。2016年ドラフト会議では最下位の10位で入団。これまで1軍では先発はなく、初年度の2017年にマークした29試合、3勝1敗、1ホールド、7セーブ)がキャリアハイだった。しかし、王建民2軍投手コーチから伝家の宝刀シンカーを学び、先発転向を果たすと安定した投球を披露。後期の快進撃、逆転優勝の立役者のひとりとなった。

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