「どんな顔で帰ればいいのか」 失意に沈んだシドニー五輪…忘れられぬ痛恨の1球

勝ち越し打を許した松坂大輔【写真:共同通信社】
勝ち越し打を許した松坂大輔【写真:共同通信社】

2000年のシドニー五輪では松坂、中村、黒木らNPBから8人が招集

 来年3月に開催される「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」には大谷翔平、ダルビッシュ有、鈴木誠也らメジャー組が参加を表明し3大会ぶりの優勝に期待がかかっている。今では当たり前のように“オールプロ”で編成される日本代表だが、過去にはプロアマ混成で挑んだ時期があった。

 2000年に開催されたシドニー五輪。この大会では初めてプロの参加が認められNPBからは8人の選手が派遣された。「メダル獲得は最低条件」と位置付けられたなか、正捕手を務めたのは当時、中日に所属していた鈴木郁洋氏だった。

「当初は古田さんのバックアップ要員と聞いていました。中日で2番手捕手の自分が。僕の中では五輪は社会人の人たちが夢を持っていくもの。そこにプロが混ざる。社会人の枠を取ることになる。それっていいんだろうか? 申し訳ない思いもありました」

 前年に行われた五輪予選のアジア選手権では、日本球界を代表する古田敦也がマスクを被り出場権を獲得。だが、本選では招集されず、プロ3年目の鈴木氏に白羽の矢が立った。松坂大輔、黒木知宏、中村紀洋、松中信彦、田口壮らチームの主力が招集され「周りはバリバリのレギュラーばかり。古田さんの代役というプレッシャーはありました」と振り返る。

韓国との3位決定戦…3打席連続で三振に抑えていたイ・スンヨプに痛恨の適時打

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY