自由契約なのにワクワク…ヒゲも茶髪もバッサリ、新天地での復活呼んだ“ばあちゃん”の言葉

ヤクルトでは背番号「42」をつけてプレーした【写真:荒川祐史】
ヤクルトでは背番号「42」をつけてプレーした【写真:荒川祐史】

背番号「42」を選んだ理由、祖母から「人が選ばないところ(番号)には福が眠っているよ」

 背番号も、日本人選手が敬遠しがちな「42」を自ら希望した。メジャーリーグでは初の黒人選手だったジャッキー・ロビンソンの番号として全球団で永久欠番となり、今では4月15日の「ロビンソン・デー」のみ全選手が着用している。入団会見では「他の選手が『背番号を引き継ぎたい』と思えるような活躍したい」と語っていたが、もう一つの理由があった。

「幼い頃から、ばあちゃんが『トモ、人が選ばないところ(番号)には福が眠っているよ』と言っていた。新天地で福を取りに行こうと。だから、自分のなかでは決めていた。球団に42番は空いてますか? って」

 再び“戦える場所”を手にした男は燃えていた。2016年、春季キャンプ前の自主トレでは「どんな形でも一発目」が合言葉。シート打撃、練習試合、紅白戦など、最初の実戦で必ず結果を求めた。オリックス時代は「スロースターター」だったが、例年より早めに体を仕上げ貪欲にバットを振り続けた。

 4年連続ゴールデングラブ賞、最多安打のタイトルといった“過去の栄光”にすがるつもりは毛頭なく「結果を出さないと後がない立場」と自分の立ち位置を理解した。春季キャンプで猛アピールを続けると、オープン戦ではチームトップの19試合に出場し、打率.415(53打数22安打)、6打点に加え2盗塁もマークし、外野のレギュラーをつかみ取った。

「スターおらな東京ちゃう、俺らは下町スワローズや」

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