新庄剛志監督が投手にかけた「魔法」とは かつてのドラ1が“美直球”リリーフに進化
球界を驚かせた“開幕投手・北山亘基”
日本ハムは2022年、BIGBOSSこと新庄剛志監督が率いる新体制のもとで若手中心のチームづくりを進め、チームの再構築を図ってきた。既存の常識にとらわれない選手起用で、球界からは大注目。9年ぶりの最下位に転落したものの、インパクトは強かった。ここでは投手編と野手編に分け、シーズンを振り返っていく。来季の浮上には吉田輝星投手ら、経験を積ませた若手のブレークが必須となりそうだ。
新庄監督が初陣を迎えるにあたり、開幕投手に注目が集まった。そして3月25日、ソフトバンク戦のマウンドへ最初に上がったのは、ドラフト8位ルーキーの北山亘基投手。勝利にこそ結びつかなかったが、2回無失点の好投を披露。以降はリリーフに徹し、終わってみればチームトップの55登板を果たした。日本ハムに入団したからこその活躍。チームの次世代を背負って立つ投手となれるか。
また伊藤大海投手は、プロ入りした2021年に2桁勝利を挙げ新人特別賞に輝くなど、一躍チームを代表する投手となった。今季は開幕から2度の先発登板で連敗を喫してしまうも、その後は3連勝と立て直した。シーズン終盤は勝ち星に恵まれず、最多勝争いからは脱落してしまったが、球団では34年ぶり(87~88年・西崎幸広氏)となる新人からの2年連続2桁勝利を達成した。
新球場「エスコンフィールド北海道」に本拠地を移転して迎える来季も、日本ハム投手陣の中核となることは間違いないが、その起用法は不確定だ。新庄監督は今季終盤、伊藤を「クローザー」として起用することを示唆。実際に9月26日の楽天戦では、9回のマウンドに上がりセーブも挙げている。今季はクローザーが定まらなかったという課題もあり、上位進出へ“エース”に白羽の矢が立つか。