ドラフト下位指名が変える“チームの未来” 実力派選手の下剋上が埋めた「弱点」
社会人野球出身者に多い1年目からのブレーク…新人にも候補が
2020年は6位が当たりだ。日本生命から入団したオリックスの阿部翔太投手は昨季こそ4試合登板で防御率7.36という成績に終わったものの、2年目の今季大ブレーク。44試合全てリリーフで防御率0.61、1勝0敗3セーブ、22ホールドの好成績でチームの日本一に大きく貢献した。
阪神には、三菱自動車岡崎から中野拓夢内野手が入団。1年目から開幕1軍入りを果たすと、早々に遊撃の定位置をつかみ、ともにリーグトップの30盗塁、20犠打を記録した。今季も135試合に出場し打率.276。今年11月には侍ジャパンのメンバー入りし、豪州との強化試合を戦った。日本ハムの今川優馬外野手も2年目の今季、1軍で10本塁打している。
昨年のドラフトからは日本ハムの8位指名、北山亘基投手が新庄剛志監督に開幕投手に指名されると、その後リリーフに転じ55試合に登板、3勝5敗9セーブ、16ホールドの活躍を見せた。さらに9位、NTT東日本から入団した上川畑大悟内野手は怪我で出遅れたものの、5月に1軍昇格を果たすと固い守備でレギュラー不在だった遊撃に定着。80試合で打率.291を記録した。
ここまで見ると、社会人野球出身の選手がいきなりの“下剋上”を果たす例が続く。学生時代に果たせなかったプロの世界にたどり着き、秘めた力を一気に爆発させるからだろうか。今秋のドラフトでも、広島5位の河野佳投手(大阪ガス)、日本ハム6位の宮内春輝投手(日本製紙石巻)、楽天6位の林優樹投手(西濃運輸)、中日7位の福永裕基内野手(日本新薬)といった実力派が、虎視眈々と下剋上を狙っている。
(Full-Count編集部)