球団は白旗「もう分かってるわ」 山本由伸も来オフ現実味…先輩が開いたメジャーへの扉
山本も球団に感謝「目標など全く否定することなく対応して頂いてます」
思いは球団に十分に届いているようだ。オリックスの山本由伸投手は27日、大阪市内の球団施設で契約更改交渉に臨み、球団史上最高額となる年俸6億5000万円でサインした。驚きの昇給もそうだが、気になるのは“メジャー挑戦”がいつになるか。球団からはもはや、言葉にするまでもない理解を得ているようだ。
契約更改の席で、昨年に続きメジャーリーグへの思いを伝えた右腕は「多少は話しましたが、何か決まっている訳じゃない」と前置きしつつ「選手のことを一番によく考えて頂いて。目標など全く否定することなく対応して頂いています」と、まず球団への感謝を口にした。
今季は26試合に登板し15勝5敗、205奪三振、防御率1.68の成績を残しリーグ連覇、日本一に貢献。史上初となる2年連続の「投手4冠」を獲得するなど、日本球界ナンバーワン投手という称号を手にしている。今オフは先輩の吉田正尚外野手がレッドソックスに移籍したこともあり、自身の夢もふくらむばかりだ。
熱い思いは球団にも届いているようで、山本も言葉を選びながら「正尚さん(吉田)を許可して頂いたように『全くダメというわけではない』という会話をした。思いは十分に伝えている。向こうも『もう分かってるわ』という感じで(笑)」と、手応えを得ている様子。最短での海外FA権取得は2026年で、現状ではポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦となりそうだ。
一方で、チームは来オフにも“正尚先輩”に続いて柱を失う可能性もあるが、久保充広球団本部管理部長は「由伸がそういう話をしたいとなればしますし。我々は全く(メジャー挑戦を)閉ざすわけではない」と、寛容な対応を見せている。
来季に向け山本は「やはりリーグ3連覇、2年連続の日本一、そこを目指して全力でプレーしたい」と語り、まずはオリックスで結果を残すことを最優先としている。3年連続で誰もが認める成績を残し、夢のメジャーへ羽ばたくことができるか。来オフは、日本どころか米国で最も注目を集める投手になっているかもしれない。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)